エンタメノート

エンタメなんでも備忘録

伝説の「ペキエノ」

ついに課金してしまった「タカラヅカオンデマンド プレミアムプラン」。

ちょうどひとこちゃんのトップお披露目公演「エンジェリックライ」を上演している時期だからか、昨年12月配信分に伝説の「ペキエノ」こと「PR×PRince」が!!ということでギリギリ滑り込みで見ることができました~!

某所では「ひとこちゃんの黒歴史」と名高い(?)バウ単独主演作「ペキエノ」…ではなく「PR×PRince」。あらすじは以下の通り。

頭を悩ます大臣達が考案した財政難を救う画期的なPR大作戦…それは主人公の第一王子を筆頭とした容姿端麗な王子三人を全面的に押し出した観光ツアーの開催や王子達の結婚相手を見つけるための富豪令嬢を招いた晩餐会の実施だった。
並はずれたイケメンでありながらもある事情でそれを隠して生活を送ってきた第一王子だったが、自国の危機を救うべく、ついに美貌を活かしその世界的PR大作戦のために立ち上がる!!
架空の王国を舞台に、国を救う為に奮闘する王子の活躍とその恋の行方を描く、ハートフルなミュージカル・コメディ。

確かにあらすじを読む限りトンチキ感満載でそりゃー黒歴史にもなるよなあと思っていたのですが、実際に見てみてどうだったか、素直な感想を述べてみようかと思います。

思ったより悪くないじゃん

黒歴史とかいうからどんなにひどいかと思ったら「言うほど悪くなくない?」というのが素直な感想かも。

確かに冒頭、自己紹介替わりに順番に歌って登場するあたりとか、若干学芸会っぽい雰囲気もあり、「おいおい大丈夫か???」というのはちょっと思ったけど、宝塚の若手主演のバウ公演らしい、ほっこり誰も傷つかないハッピーエンドコメディでした。
満足感高いポイントは無駄(?)に投資されたひとこちゃん、あやなちゃん、あみちゃんのイケメン3兄弟のビジュアルのよさと芝居の上手さ。これだけでバウなら元が取れたでしょと思います。

長男ひとこちゃんは第一王子ながら、眼鏡をかけているときは冴えない研究者、しかし一度眼鏡を外すとヤバイフェロモン垂れ流しのイケメンに変貌するという、ヲタクが一度は思い描く「じぶんがかんがえたさいこうのおとこやく!」を具現化したキャラクターです。

舞台上で眼鏡の着脱だけで別人格を演じ切るひとこちゃんの演技力にまず拍手を送りたいです。このお芝居、トンチキとバカにするのは簡単だけど主人公のヴィクトルをやれって言われたら意外と難しいと思うよ??
力量のあるひとこちゃんだからこそ出来たといっても過言ではないと思うんだけどな~。

次男ヴァレンティンは己の美貌キープに余念のないナルシストキャラ。綾凰華さんことあやなちゃんが好演しております。
このころの雪組さんは「あや」さんが多すぎて芸名と愛称がこんがらがるのですが、彩風咲奈(さき)さん、彩凪翔(しょう)さん、そして綾凰華(あやな)さん、のあやなちゃんですね。98期ということで、ひとこちゃんより上かと思ったらまさかの1期下でした。

筋肉キャラの3男ヴァルテリは現・月組の彩海せらさん。月組さんといえば、つい先日「ガイズアンドドールズ」のアデレイド役替わりが発表されたばかり。あみちゃんと、このペキエノであみちゃんのお相手役だった彩みちるちゃんとの役替わりということで、6年も経てばいろいろ変わるものよ…と時のうつろいにびっくりします。
このころのあみちゃんはまだ研4ですか。カッコかわいくてとってもいいお役だったと思います。

ヒロインはバウ初ヒロインの潤花ちゃん。とにかく潤花ちゃんは華やかな娘役さんだったなという印象なんだけど、それはこのバウ公演からも十分伝わりました。
歌はまあ、ねえ、というところもあったけど、それらを吹き飛ばすビジュアルのよさとヒロイン感がすごい。ひとこちゃんがほめてたけどとにかく首筋がきれいなんだよね~!

トンチキといわれるゆえんは、「ペキエノ」という単語の響きのゆるさ(笑)と、主題歌の「♪おいで~よ~ぺき~え~の~」がなかなかのトンチキソングなこと(意外にも耳に残ってしまうところが特にw)、せっかくのひとこちゃんの無駄遣いともいうべきもったいない設定、細かいエピソードがモリモリすぎなところでしょうか…。どれか一つくらいエピソード削っても良かったんじゃ?と思いました。

それでも本当に誰も悪くない、やさしいお話に仕上がっているので、休日に頭空っぽで楽しむにはちょうどよい感じかも。

この公演のあとのこと

この公演が行われたのが2019年3月28日~4月8日で、ひとこちゃんはこの約4か月後に花組への組替え発表、そして11月にみりお様からVISAガールを引き継いでの組替えとなりました。(そして直後にコロナが始まる…)

さっきもあやなちゃんのところで書きましたが、このころの雪組さんはひとこちゃんの上がとにかくいっぱい。
トップスターのだいもん、さきちゃん、しょうさん、あーさ、そしてひとこちゃん、あやなちゃん、以下、、、という布陣。雪組でトップスターになろうと思うとなかなかしんどい状況だったわけですね。FNS歌謡祭であーさが「黒髪の人」で超バズりしたのもこのころですよね。

対する花組さんはみりお様退団に伴ってれいはな新体制が発表済み、ちなつさんはこの年の4月に月組へ組替え済み、いるのはあきらさんと、マイティー。あかさんは入れ替えで星組へ。そこへVISAを背負ったひとこちゃん、ということで、遅かれ早かれ花組でのトップ就任に王手をかけた感満載の組替えだったわけですね~。

いやはや、2019年ってついこの間のような感じなんだけどすでに6年も前。コロナがなければ、あと宙組さんの事件がなければ、もう少しいろんなことがスムーズに動いていたのかなと思ったり。
のんき(?)にペキエノやってたころはまだまだ、嵐の前の静けさだったのですね…。