エンタメノート

エンタメなんでも備忘録

ひとこちゃんの過去をたどる旅(2)

今年2月に書いた「伝説のペキエノ」の記事冒頭、「とうとう課金してしまいました、タカラヅカオンデマンド…」と書いたのですが、そこから約半年…

とうとうスカステ加入してしまいました…!!
早かった…ここまで本当に早かったよ…
(むしろどうしてさっさとスカステ加入していなかったのかと自問自答)

おかげさまでひとこちゃんの過去作をたどるのがとっても容易になりまして、現在着々と過去作品を撮りだめているところでございます。

スカステって本当にすごいね…最新の公演から平成初期みたいな作品まで本当に1日中宝塚やってるんですね。これを一日中見てたらそりゃあいやでも全組の組子さんの名前と顔を覚えるってなもんですよ。

今日はそんな私のまだまだつたない「ひとこちゃんコレクション」から、新公時代の雪組作品のなかでおそらくいろんな意味で一番「充実」している作品について語ろうかと思います。

 

浪漫活劇「るろうに剣心」(2016年雪組

はい、るろ剣です!早霧せいな&咲妃みゆトップコンビによる、超人気マンガ原作の宝塚化で大変話題になりました。

これは当時まったくヅカヲタじゃなかった私でも知ってて、ジャンプで原作をずっと読んでた世代なので舞台化にはびっくりしつつもちぎさんの剣心の扮装があまりにもそのまんまでびっくりした覚えがあります。

このころから宝塚の実写版扮装の完成度ってすごい高くて、雪組さんでいえばこれの前の「ルパン三世」もめちゃくちゃ話題でしたよね!(銭形警部の再現度の高さに世間一般びっくりみたいな記憶があります)

私が本格的にヅカヲタに舞い戻るきっかけになったのも花組みりお様の「ポーの一族の再現度の高さゆえだったし、そう思うと一番直近の「悪魔城ドラキュラ」の再現度の高さにゲーヲタの皆様が喜んでくださったのも、このころから脈々と続くこのコスプレ再現度の高さによるものだと思うし、「るろ剣」は漫画原作を宝塚化したもののなかでかなり「成功」した秀逸な作品かと思われます。

本公演 ひとこちゃんは…

ちぎさんが剣心、みゆちゃんが薫、ふんふんなるほど、そして当時2番手のだいもんが「加納惣三郎」…ハテ…?そんな奴るろ剣にいたっけ???とキャスティングをみてハテナが浮かびまくり。
そして咲さんが斎藤一、翔さんが武田観柳、そしてれいこさんが四之森蒼紫、と主要キャラを演じています。
で、ひとこちゃんといえば「剣心の影」。どういうこっちゃと思いながらも、つい最近のひとこちゃんとまゆぽんの対談(宝塚GRAPH2025年9月号「BRILLIANT TIME」)のなかで、まゆぽんがひとこちゃんで印象に残っているお役として挙げていたのがこの「剣心の影」だったのでワクワクしながら見始めました。

すげえ、影だ…

出番は決して多くないのですが、1幕は剣心の過去回想シーンで登場。頬の十字傷ができるきっかけの場面ですね。ここで剣心の頬に傷を作る清里役がなんとあがちん!まだ研1(もうすぐ研2って頃ですかね)??びっくり~!

2幕、剣心が「蜘蛛の巣」というアヘンのせいで見させられる幻覚ででてくるのがこの「剣心の影」。人斬りだったころの過去を断ち切りたい剣心の心の葛藤を、影であるひとこちゃんが演じるわけですが…

ちぎさんとひとこちゃんって見た目が華奢なところも、男役としての目指すべきスタイルも、元々が似ているタイプだとは思うのですが、ちぎさんの動きを相当見て振りつけているんだなというのを感じました。当時研5を終えるころのまだぴよぴよのひとこちゃんがトップスターさんの影として動きを作らなきゃいけないってこれ結構重要なお役よね。まゆぽんの言う通りだわ!と膝を打ちました。

セリフなしの動きだけでちぎ剣心の「心の闇」を表現しなければいけないという、かなり難しい役どころだったかと思います。それを違和感なく演じ切ったひとこちゃんのちぎさんコピー力(憑依力とでもいうべきか(笑))に脱帽の本公演でした。

その他のみなさま

「壬生義士伝」のときにも書いたのですが、このころからすでに路線大渋滞の雪組さん。2番手だいもんだけ宝塚オリジナルになっていましたが、2番手にする「敵」がいそうでいないのがるろ剣なんですよね…。初期の「敵」ではあるけど斎藤とか蒼紫を2番手にするわけにもいかないし、志々雄とか出すわけにもいかないしねえ…

ということでだいもん演じる加納だけ、なんだか気持ち悪い変なキャラ(大変失礼でごめんなさい)だったなあ。だいもんはこのあと「ドン・ジュアン」っていう最大級のご褒美が待っているのでここはグッと我慢の演目ですかねえ。
(なぜか2番手って我慢の演目あるよね(笑)?いいお役をやらせてあげたいんだけど、いいお役にするだけの役がないっていう時…)

咲さん斎藤一はこの当時の雪組さんなら納得のキャスティング。銀橋に立ってたばこをくわえた斎藤一の色っぽいこと!大優勝!すらっとしたスタイルが一番ハマってました。

れいこさん蒼紫かあ…というか、れいこさん雪組にいるのが不思議な感覚で。私の中ではれいこさん月組の人なんだよなあ…。
でも美貌のれいこさんを美形の蒼紫に持ってくるのも大納得。ただし出番が本当に少なくて、当時のれいこさんファンは少々つまんなかったのでは…(1幕全然出てこないので…)

新人公演

さあ、そしてスカステのおかげで新人公演まで見ることが出来ました!
トップスターになると新人公演主演作品をダイジェストで収録した「Energy PREMIUM SERIES」というDVD作品が出るのですが、これのひとこちゃんのやつをいつ買おうかずっと迷っているんですが(笑)一足お先にスカステでるろ剣新公全編見ることができました!やっほう!

新公はひとこ剣心に彩みちるちゃんが薫を演じます。今回観てて思ったのは、雪組時代のひとこちゃんには必ずみちるちゃんがいいところにいる!」ということ。2期違いなので本当にずっと一緒に切磋琢磨してきた娘役さんなんだろうなあ。

影もいいけどやっぱりひとこ剣心すごくない??

本公演で「影」としてちぎさんの動きをコピーしまくったひとこちゃんが今度は剣心としてちぎさんと同じ役を演じる。そこにひとこちゃん自身の本来の持ち味も発揮されて新人公演とは思えない、素晴らしい出来だったと思うのですが、いかがでしょうか。

まずお芝居がとにかく自然。私はひとこちゃんのお芝居がなにより大好きなので、見ていてこれが新人公演だということを忘れるくらい、一主演作として楽しむことができました。

「ひとこちゃんは眉間のしわと三白眼が至高!」といつもアホのように繰り返し言っているわけですが、このるろ剣は眉間にしわもよらないし、三白眼も前髪に隠れてあんまり見えない(笑)のですが、もともとひとこちゃんの持ち味である抱えている闇や葛藤を表現させたらピカイチなところが、剣心が普段表に出さない、封印している「心の闇」みたいなのをじっとり感じることができる演技だったように感じます。

ひとこちゃんが演じるお役のなかで、底抜けに明るいキャラが好きな方、暗い闇を抱えたキャラが好きな方、といらっしゃると思うのですが(そしてどちらかというと闇落ち系がお好きな方が多いと思われるんですが)、この「るろ剣」は明るいひとこちゃんも、闇を抱えたひとこちゃんも(そしてまだまだどこか初々しいひとこちゃんも)いっぺんに楽しめる稀有な作品で、研5とか研6という若手のころからもうその礎が出来上がっていたのだなとしみじみ感心させられる作品でした。

歌もちぎさんの歌をたぶんめちゃくちゃ聞いているだろうからか、ちぎさんに引っ張られすぎて歌い上げ方とかちぎさんに似てる雰囲気を感じますが(笑)、でも歌声はすでにいつものひとこちゃん。研5でこんなに堂々と歌えてるのすごいなあ。

その他のみなさま

本公演の感想で「気持ち悪い変なキャラ」、と書いてしまっただいもん加納役は諏訪さきさん。諏訪さんひとこちゃんより下級生なのにこの貫禄!!そして芝居も歌もめっちゃうまい!だからだいもん役なのかと納得の2番手でした。諏訪さんもめっちゃ気持ち悪くて変なキャラだった~(笑)でもすごく、すごくお上手でした!

そして研1(東京新公の頃は研2ですかね)のあがちんはれいこさんの蒼紫役。うん、初々しいね(笑)まだ見た目もお芝居もお歌も本当にぴよぴよですが、変な美オーラだけはある(笑)抜擢される人ってこういう感じなんだなあ…

そして、みちるちゃん。みちるちゃんも研3とか研4ですよね。お芝居めっちゃうまくないですか??ひとこちゃんとみちるちゃん、諏訪さんも全然新人公演レベルじゃない。観柳役の橘幸さんもうまかったよ~!

でもみちるちゃん、お歌は「あ、ああ~…(苦笑)」ってなるのでそこはご愛敬なんだけど(笑)お顔もこのころはまんまるでかわいいし、薫役のお衣装もとても似合っていました。本公演では弥彦を演じているのですがこれまたびっくりするぐらい上手だったので、これは当時かなり期待された娘役さんだったんだろうなあ…(このあと例のドン・ジュアンなわけですが…)

ということで、初期ひとこちゃんを語る上で欠かせない「るろうに剣心」本公演と新人公演を観たよ、の感想でした。

このときひとこちゃんは新人公演主演2回目、そして何度も途中で書いてますがこのあとだいもん版「ドン・ジュアン」がくるのですよ!!!わー!時代が動くね~!!!